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『圏外へ』感想 [小説]

~内容紹介~

大変だ。「カタリテ」と名乗る小説家は、書き出しで行き詰まる。
やがて、物語は自在に動き出す。「カタリテ」の手を遠く離れて―。
南新宿路地裏の「亀裂」に注意せよ。
小説家の頭のなかを旅する魔術的長編小説。
(amazonより)

圏外へ

圏外へ

  • 作者: 吉田 篤弘
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: 単行本


~こんな方にお勧めしたい~

吉田篤弘作品を全く読んだことのない方にはお勧めできません。
いきなりこの作品を読むと作者のことを勘違いする可能性が高いです。
まずは「つむじ風食堂の夜」や「78」あたりを読むことを勧めます。
あと、村上春樹が好きな方には受ける気がします。



~感想~

吉田篤弘が好きです。なので多分な評価になると思います。

と、いう前置きをしておきますが・・・。
なんというか、今までの吉田篤弘ではない感じがしました。
自分が好きな吉田篤弘よりも村上春樹色が強い作品だったとか言えばいいのでしょうか?
哲学的なものが前面に出ているんだねぇ~ってことでわかってもらえればいいです。
あと、読後感は「世にも奇妙な物語」でした。これも珍しい(と言うか初めて)のことです。


-以下本編感想、少々ネタばれ含みます。-



この作品の中では「カタリテ」と呼ばれる作者(主人公)が自分の書こうとしている物語の登場人物に叱られたり諭されたりして自分を見つめなおしていきます。
そして、そのなかで(かなりの終盤に)カタリテが登場人物のモリアと対峙した際に吐露する
モリア(というか、自分が○○した登場人物)(ここはさすがに伏せます)への負い目とカタリテとしての物語への姿勢がすばらしく良いのです。

ああ、こういったスタンスの作者だから自分は吉田篤弘が好きなんだなぁ。と、しみじみと。
おかしなハナシですが、好きな理由に証明がされてほっとしました。

それと同時に
「これからも自分は吉田篤弘作品を読み続けていくんだな。」
と確信をする作品でした。

タグ:吉田篤弘
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